« 東京の元気 | トップページ | また変わっちゃう建築基準法 »

2010年3月13日 (土)

家は人や家具が入る単なる器ではないのです!(設計事務所の手法ネタバラシ)

お施主さんの住まいのイメージというと、たとえば、ここは10帖の部屋にお気に入りのソファを入れて、くつろぐリビングにして、隣に8帖取って、○○製の食卓を置いて食事をする部屋をつくり、それから6帖の寝室にベットと机を置いて・・・。
というように、“自分の家”となると、どのくらいの大きさの部屋にどんな家具を入れて、どう部屋を組み合わせるかということを思い浮かべるのが一般的だと思います。
ハウスメーカーや工務店でもそんな感じの設計になるのではないでしょうか。
しかし、設計事務所は違うんです。
部屋一つ取っても、機能を満足させるのはもちろんのこと、更に、さまざまなことを考えています。

手法1.部屋の大きさ・種類
何帖という単位ではなく、家全体のバランスを考えながら、微妙に大きさを調整します。抑える部屋は抑えて、広く取りたい部屋に融通します。また、部屋でもなく廊下でもなく、外部でもない曖昧な中間領域を創ってスムーズに他の部屋や外部と繋げます。

手法2.部屋同士や外部との関係
隣接する部屋や外部とどのくらいの大きさの窓やドア、開口で繋がるかを考えます。窓や開口を大きく開けて、こじんまりした部屋でも他の部屋や外部と繋がる広がりのある空間にしたり、わざと開口を小さくして、大きい部屋でも落ち着いた雰囲気にしたり絶妙なバランスを探ります。

手法3.陽の光や風の取込み方
家の中に差し込む陽の光、通り抜けていく風をどのように導けば、より快適に過ごせか検討します。朝日がどうすれば清々しく入ってくるか、家の中で日中の陽を柔らかな陽だまりとして感じるにはどう創れば良いか、風が一番涼しく通り抜けていくには、各部屋をどうレイアウトすれば良いか等、窓の開け方、それぞれの部屋の位置関係によって大きく変わってきます。

手法4.視線の操作
部屋から眺める視線、別の部屋や外部から見える視線を隠した方が良いのか、微妙に見え隠れするのが良いのか、全開で見通しを良くするのか考えます。また、立っている時とイスに腰掛けている時の視線を床のレベルを変え同じ高さにしてコミュニケーションが取り易いようにしたり、上下にずらして、視線が合わないようにしたりします。

手法5.天井の高さ
高い天井の部屋もあれば低い天井の部屋もあり、曲面の天井や斜め天井もあるというように、均一な空間ではなく、バラエティーに富んだ天井の高さで空間を豊かにします。ただいたずらに、バリエーションを増やすのではなく、その場面々々に合った天井を創ります。

手法6.床の高さ
床のレベルの違い(スキップフロア)で空間に変化を付けて家全体を縦に広く見せます。あるいは、何処までも段差のないフラットな床で横にゆったり広がる空間を創ります。

手法7.外観
いろいろな特徴をもった部屋や空間が外観ではどのような表情を見せたら良いのか、内面がどんな感じで外面に滲み出てくるのか、どんな面構えにするのか、検討します。

以上のことをリズミカルに、時には淡々と、起承転結に当てはめたり、物語が展開していくように考えたり、“間”を取りながら様々なバランスで演出し、ワクワクする楽しい家に仕上げます。

住まいをただ単に器として捉えるのではなく、夢や物語を膨らませて、快適で楽しいものにしていくのも我々の仕事なんです。

|

« 東京の元気 | トップページ | また変わっちゃう建築基準法 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/125129/47798059

この記事へのトラックバック一覧です: 家は人や家具が入る単なる器ではないのです!(設計事務所の手法ネタバラシ):

« 東京の元気 | トップページ | また変わっちゃう建築基準法 »